社長・役員・管理職の平均年齢とは?適正年齢とのギャップと能力値の変化

日本は超高齢化社会と言われますが、社長・役員・管理職の平均年齢も例外なくその影響を受けています。

本記事では、「経営者・役員・役職者の平均年齢とは?」をテーマとし、適正年齢とのギャップや変化する能力値について解説します。

目次

日本企業の平均年齢

日本で「雇用されて働く」一般労働者の平均年齢は、約44.4歳とされます。

労働者の平均年齢は約44.4歳

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見方平均年齢概要
一般労働者44.4歳正社員・フルタイム系が中心
短時間労働者46.2歳パート・アルバイトなどを含む
就業者全体(※)47.2歳個人事業主・家族従業者・農業なども含む

※就業者全体…各年齢階級の中央値で平均年齢を算出した概算

海外との差は「3~5歳ほど高齢」

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就業者全体の平均年齢日本との差
日本47.2歳
韓国47.8歳+0.5歳
イタリア45.5歳-1.7歳
ドイツ43.9歳-3.3歳
アメリカ42.7歳-4.5歳
イギリス42.5歳-4.7歳
フランス42.6歳-4.6歳
カナダ42.0歳-5.2歳

参考文献

役職者の平均年齢と平均勤続年数

年功序列・終身雇用が未だ根強い日本では、役職は年齢・勤続年数に比例しています。

役職平均年齢平均勤続年数
非役職者41.8歳10.8年
係長45.4歳17.5年
課長49.5歳20.9年
部長53.1歳22.6年

※役職者=一般労働者のうち雇用期間の定めのない者と定義

参考文献:役職、性別賃金、対前年増減率及び役職・非役職間賃金格差|厚生労働省

役員の平均年齢

役員の高齢化も例外ではなく、例えば社長の平均年齢は60.8歳で、35年連続で過去最高を更新しています。

一方で社長交代率は3.84%に留まっており、経営者の高齢化だけでなく、世代交代スピードも遅いのが実情です。

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区分平均年齢
役員全体(※)57.8歳
役員全体(上場企業のみ)61.1歳
社長(株式会社・有限会社)60.8歳
引退社長(2025年に引退した社長)68.5歳

※役員全体…社長、取締役、監査役、団体・公益法人・独立行政法人の理事・監事などの年齢階級別人数に各階級の中央値を掛けて加重平均した数値。

また日本の上場企業(東証プライム+スタンダード市場)の役員は、全3,182社・役員数32,610人中、65歳以上の人が3割以上を占めています。

取締役会のジェンダーバランス調査|日本総研

年齢区分人数割合
60歳以上20,281人62.2%
65歳以上11,585人35.5%
70歳以上5,158人15.8%

※有価証券報告書をもとに社内取締役・社内監査役・社外取締役・社外監査役を中心に集計。人数は兼務などの重複を含む延べ人数。

参考文献

経営者・役員・役職者の適正年齢

複雑な経営判断・財務判断・人間理解・統治を行う経営者・役員・役職者の適正年齢は、40代後半~60歳前後とされます。

適正年齢は「40代後半~60歳前後」

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区分ピーク年齢重要なスキル
経営者45~60歳前後戦略判断、資本配分、事業機会発見、組織設計、危機対応
役員50~60歳前後ガバナンス、リスク管理、後継者判断、専門機能の監督、長期視点
役職者40~55歳前後実行管理、人材育成、現場調整、課題解決、チームマネジメント

実際にRIETI(独立行政法人経済産業研究所)の研究では、「経営者の年齢」と「企業の売上」は逆U字型を描き、経営者の年齢が60歳前後のときに企業の売上がピークを迎えるとされます。

60歳を超え世代交代が遅れると企業の売上も下がる傾向にあり、一方で事業承継した場合は一時的に業績を落とすものの、長期的には企業のパフォーマンスを高めます。

参考文献Population Aging and Business Successions|RIETI

スタートアップ創業者の適正年齢

「これから成長しようとする」スタートアップでは、適正年齢が少し下がります。

統計上、従業員を雇った創業者全体の平均創業年齢は42歳ですが、「1,000社に1社レベルの急成長企業」を創業した人の平均創業年齢は45歳です。

なお、ここからユニコーン化(未上場で企業価値10億ドル以上と評価されたスタートアップ)を果たすまでは、中央値で6.28年。IPO(上場)までは、中央値で12年かかります。

参考文献:2025年までの新規株式公開(IPO)の平均年齢|フロリダ大学

年齢による能力値の変化

年齢とともに衰退・向上するビジネススキルには、代表的なものに「流動性知能」と「結晶性知能」があります。

衰退する能力

  • 流動性知能
    • 作業記憶、短期記憶
  • 処理速度
    • 頭の回転
    • 情報処理スピード
  • 忍耐力
    • 長時間、長期間働く忍耐力
    • マルチタスクをこなす集中力
  • 感覚機能
    • 相手の表情、感情を読み取る感覚

維持・向上する能力

  • 結晶性知能
    • 常識、語彙力、経験則
  • 社会性
    • 共感力、協調性、一般常識
  • 専門知識
    • 特定の分野における専門知識
  • 感情制御
    • クレーム対応やプレゼン時の冷静さ

流動性知能と結晶性知能

流動性知能は「初めて見る問題を、その場で考えて解く力」です。新ルールへの適応・集中力・処理速度・抽象的推論などが含まれます。

一方で結晶性知能は、「過去の経験・学習によって蓄積された知識を使う力」です。語彙力・専門知識・経験則・一般常識などが含まれます。

一般的に「流動性知能」は、若年~成人前期をピークに低下しやすいとされ、「結晶性知能」は成人後も伸びやすく中高年以降も維持されやすいと考えられています。

参考文献

上位層の高齢化による負の影響

一概に同じ年齢層の人を一括りにすることはできませんが、

上位層の高齢化による負の影響は、「労働生産性の低下」「デジタル化の遅れ」「現状維持」が加速する可能性がある点です。

労働生産性の低下

2024年の日本の時間当たりの労働生産性は60.1ドルで、OECD加盟38カ国中28位となっています。

労働生産性は、短い時間で多くの売上(利益)を生み出せば上がります。逆に長時間働いても、その投下時間に比例する売上(利益)を生み出さなければ労働生産性は下がります。

つまり、利益よりも「ただ長時間労働を是とする文化」は、労働生産性の低下に繋がります。

労働生産性とは?

労働生産性とは、GDPを労働時間で割ったものを指し、「時間あたりどれだけ付加価値を生んだか」を見る指標です。

参考文献

長時間労働を是とする文化

日本企業では、いまだに「長く会社にいる人」「夜遅くまで対応する人」「休日でも連絡が取れる人」が評価されやすい職場があります。

特に上位層が「自分たちも昔は長時間働いて成果を出した」という成功体験を持っている場合、結晶性知能により部下にも同じ働き方を求めやすくなります。

本来、上位層の役割は労働投入量の管理ではなく、生産性を上げる仕組みを実装することです。

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上位層の役割目的
無駄な会議・資料・承認を減らす分母である労働時間を減らす
高単価・高粗利の仕事に集中させる分子である利益を増やす
AI・デジタル・外注を使って作業を置き換える同じ人数・時間で成果を増やす

上位層のAI・デジタル知見不足

AI・デジタルを理解する能力は「流動性知能」に該当し、さらに意思決定に応用するには自分自身が理解する必要があります。意思決定への応用とは、AI・デジタルを用いて何を変えるのかを明確に決めることです。

典型例として、経営者が「AIを使って何かできないか」と号令をかけるものの、具体的な事業変革の方向性を示せないため、「検討が繰り返されるだけで本格的な改革に進まない」という状況が挙げられます。

実際、ITに見識のある役員が3割以上いる企業の割合は、日本19.9%・ドイツ36.7%・米国43.4%。さらに社内にデジタル責任者がいる企業の割合は、日本11.7%・ドイツ42.6%・米国50.5%と大きな差があります。

参考文献

過去の成功体験による現状維持

過去の成功体験やデジタル知見不足は、結果として「現状維持を合理化しやすい」状況を招きます。

過去の業績が良い企業ほど、現状維持バイアス(意思決定において、現状維持を選びやすい)が強まり、上位層の在任期間が長くなる・または自分と似た後継者を望むようになるのです。

STEP
上位層が現状維持を合理的だと考える

STEP
変革の価値や目的・優先順位が曖昧になる

STEP
各部門が既存業務・既存KPI・既得権を守る

STEP
根回し・稟議・調整が増え、意思決定が遅くなる

STEP
内部留保を厚くし、国内投資や人材投資よりも安全性を重視する


変革の価値が曖昧になることは、結果として日本企業の特徴である「部署間の連携不足」「意思決定スピードの遅れ」「内部留保の厚さ」を招いています。

参考文献

最後に

今回は、「経営者・役員・役職者の平均年齢とは?」をテーマとし、適正年齢とのギャップや変化する能力値について解説しました。

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参考文献

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