社内業務は、会社により営業が処理する場合と、事務員(営業アシスタント)が処理する場合があります。
本記事では、「営業の役割」をテーマとし、営業の社内業務の実態や業務を効率化する方法について解説します。
社内業務とは
営業の社内業務とは、以下のような社内で行う(または場所を固定される)タスクを指します。
- 計上処理
- メール対応
- 見積もり作成
- 社内エントリー
- 注文書、請求書発行
社内業務の物量は、会社の業態や営業の担当によって大小が分かれます。
例えばB2Bで流れモノ(消耗品)を担当する場合、一日に数十~数百件の社内業務を処理することもあります。
社内業務の流れ
案件の基本的な流れは以下の通りです。PRと納品以外は、社内業務に該当します。
営業が顧客に自社製品を紹介します。
顧客から引き合いを獲得したら見積もりを提出します。
顧客から注文書を受領したら、社内エントリーします。
仕入先(購入品)がある場合、注文書を発行します。
製品が完成したら、顧客に納品し受領印をもらいます。
顧客の受領印をもとに、売上処理を行います。
顧客へ提出する請求書を発行します。
営業アシスタントの業務
中小企業では、社内業務は営業が行うのが一般的ですが、大企業は事務員が行うこともあります。
但し、事務員に任せられる商材は、単価が決まっているリピート品や、少額案件に限られます。
新野くん営業って外回りしてるイメージが強いけど、社内業務もやるんだね。なんか全然時間が足りなそうだけど。



そうだね。稼いでる人ほど膨大な社内業務に追われて、本来の営業活動ができないケースも少なくないんだ。
営業が社内業務もこなす理由
メール対応・見積もり作成は、購入背景や顧客の特性を理解する営業がこなした方がスムーズです。
一方で、その他の社内業務は販売価格・仕入価格・社内工数が決まっているため、事務員との分担ができます。
但し、顧客(取引先)との打ち合わせでは、注文書・請求書の発行状況・見積もり提出期限などの話題が出るため、「営業が社内業務の進捗を把握すべき」という考えは一貫しています。
営業の役割
営業の役割は、社内業務を円滑に進めることではなく案件を獲得することです。
営業は複数の顧客と並走しながら自社の製品を紹介し、顧客の目標達成に貢献します。社内業務のように場所を固定されるタスクは、営業の役割とは相反する側面があるのです。
営業にとっての最適解
営業が状況を把握し、適切な指示ができれば、営業自身が社内業務を処理する必要はありません。
重要なのは、如何にして社内業務の状況を把握・指示をするかです。これは営業が個々でルールを作ると事務員が混乱するため、会社で統一したルールを設ける必要があります。
社内業務効率化の具体例
次項では、社内業務を効率化する方法を見てみましょう。
昨今は事務作業のAI化が進んでいますが、AI化する前に把握しておくと便利な内容もあります。
見積もり作成
- OCR機能を活用する。
- 見積もりの保存先を整備する。
- 粗利率設定のマニュアルを作成する。
- 売価・粗利率を自動反映させる。(定額品・リピート品)
OCR機能を活用する
大型案件や流れモノ(消耗品)の見積もりは項目が膨大な量となるため、文字入力の工数を削減する目的でOCR機能を活用します。
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OCR機能とは、画像の文字をテキストデータで抽出する機能です。
インストールが不要で、ブラウザ上でファイルをアップロードすれば利用が可能です。
セキュリティの観点から、会社でアクセス制限をかけている場合には、自社のOCR機能を取り入れることも検討しましょう。
OCR機能が利用可能なサイト(一例)
見積もりの保存先を整備する
作成した見積もりを案件ごとに保存することで、ファイルの検索から品名・型式を入力すれば、該当の項目がある見積もりが表示されるようになります。


形式はPDF・EXCELどちらも可能ですが、スキャンデータは検索できないので注意しましょう。
事務員とファイルの保存先を共有すれば、リピート品に関しては過去の仕入値・売価を確認でき、作業分担ができます。
粗利率設定のマニュアルを作成する
見積もり金額の決め方や粗利益の乗せ方には、業界を問わず共通する考え方があります。
会社としてマニュアルを作成することで、事務員との作業が分担できるだけでなく、営業の属人化も避けることができます。
見積もり金額の決め方や粗利益の乗せ方は、以下のブログで解説しておりますので、是非合わせてお読みください。


売価・粗利率を自動反映させる(定額品・リピート品)
見積もり作成ソフトを導入し、過去見積もりの品名・型式・仕入値・売価を取り込ませれば、金額・粗利率を自動反映させるシステムを組むことができます。
但し、このような見積もり作成ソフトを導入する前に、無料でできる範囲の仕組み化は行いましょう。仕組みもなくいきなり導入しても、効率化の根本的な課題は見えないままです。
社内エントリー・注文書・請求書発行
- ペーパーレス化する
- 作業を事務員へ集約する
- 社内基幹システムを社外から接続可能にする(VPN)
ペーパーレス化する
社内の承認回覧や証憑書類の保管、注文書・請求書発行は、すべてペーパーレス化することでコスト・承認工数・検索工数・発行工数を削減し、かつ責任の所在を明確化できます。
また営業にとっては、遠隔からエビデンスの把握が可能になるため、よりメリットが大きくなります。


国税庁は、電子で受け取ったものはデータ保存が原則とし、紙で受け取ったものはスキャナ保存に置き換え可能としています。(紙は廃棄可)(令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類が対象)


作業を事務員へ集約する
社内エントリー・注文書・請求書発行は、事務員へ作業を集約しましょう。
これらは販売価格・仕入価格・社内工数が決まっているため、標準化しやすい業務です。
営業と事務員で作業を分担してしまうと、どのような場合にどう区分けするかもルール化しなければならず、顧客都合・プロジェクト都合でスケジュールが変動する営業の負担が増してしまいます。
社内基幹システムを社外から接続可能にする(VPN)
VPN接続を設定すれば、社内LANからしかアクセスできない基幹システムも社外からアクセスが可能になります。
営業は、あくまで顧客(取引先)との打ち合わせで「状況の把握」ができれば良いため、セキュリティ上不安がある場合は回覧・編集制限を営業と事務員で設定しましょう。


VPN(Virtual Private Network)とは、「社外から社内ネットワークへ接続する」「フリーWi-Fiでの情報漏洩防止」「地域制限付きの情報にアクセスする」場合などに用いられる通信方法です。
最後に
今回は、「営業の役割」をテーマとし、営業の社内業務の実態や業務を効率化する方法について解説しました。










