日本の会社における役職者の適正年齢と、実際の年齢とのギャップについて。現役の商社マンがご紹介します!

皆さんの会社における役員や社長の年齢はどのくらいでしょうか。現代の日本は超高齢化社会と言われていますが、その多くが60代以降で、それを不満に思っている人は少なくないかと思います。

では世界各国と比較して、会社の指針を判断する役員や社長の年齢にどのくらい差異があるのか、また年齢とともに衰える能力はどのようなものがあるのか。現代のビジネスマン向けにご紹介します。

目次

年齢に関する統計

まず世界各国の人と社長(CEO)の年齢層をご紹介します。2024年CIAによる統計によれば、世界全体の平均年齢を高い順にしたランキングで日本は4位を記録しており、イタリアが5位、ドイツが9位、韓国が15位となっています。

年齢の中央値

統計としての信憑性の高い中央値ではどうでしょうか、2020年時点の推計では、各国の年齢中央値は以下のグラフとなります。やはり日本は他の国と比較し、中央値も高いことがわかります。

社長の年齢

2023年12月時点で、日本における社長の平均年齢は60.5歳となり、33年連続で過去最高を更新しています。 一方で世界全体の新任CEOの世界平均は53歳となっています。

参考文献:帝国データバンク CIA ウィキペディア

統計から導き出せること

統計情報から日本は高齢者が多く、また社長や役員などの年齢層も高いことがわかります。しかし同じく高齢者が多いドイツ、イタリアなどはCEOの年齢層はそれ程高くありません。

これには国民性が大きく関わっていると考えられています。日本はトップダウンで年齢の高い人の指示を聞く傾向にあることから、役職者が自身で退任する判断をしない限りそのまま留まり、会社組織も反論の声をあげないことが要因となります。

日本特有の風習

もう少し具体的に、どのような日本の特異点が役職者の退任を妨げているのか見てみましょう。

  • 年功序列/退職金制度…高い給与の役職に安定して就け、より継続した方が退職金が多くもらえる。
  • 解雇規制…社員自身がいずれ役職に就ける可能性が高い為、明日は我が身と考え声を上げない。
  • 株主の優位性…他国と比較し、株主の影響力が相対的に弱い。

資本主義において、会社は株主への還元を目的とする集団と定義されます。しかし日本の株主は会社への関与が少ない傾向があります。一方、欧米諸国では株主の権限が強く、企業経営に対する積極的な関与が一般的です。

株主は第3者目線から会社の利益となる指示を出すことができ、会社の新陳代謝を上げる役割を担えますが、日本においてはそれを反映できていないのが現状です。

株主の優位性が低い要因

  1. 株主提案権の行使要件の厳しさ:日本では株主が議題提案を行うための要件が厳しく制限されています。
  2. 株主総会の形式的運営:株主総会は形式的な運営となる場合が多く、株主からの指示が無いこともあります。
  3. 長期コミットメント主義:短期的なコミットを目的とする株主の意見は経営に反映されにくい特徴があります。 

近年では日本でもコーポレートガバナンス改革が進められ、株主の役割強化が図られていますが、依然として他国と比べると株主の指示や関与の頻度は低い状況が続いています。

参考文献:一般社団法人消費者法人協会 iDesign Lab 立命館大学リポジトリ

年齢による能力値の変化

ここまで経営陣の高齢化の現状と、考えられる要因についてご紹介しました。次は年齢とともに衰退、もしくは向上する能力についてみていきましょう。

オックスフォード大学の論文加齢に伴う知能の変化に関する研究によれば、年齢により変化する能力値は以下の通りです。

衰退する能力

  • 流動性知能
    • 新しい概念を理解する能力
    • 問題解決力
  • 処理速度
    • 情報処理スピード
  • 作業記憶
    • 短期間で情報を保持し、操作する能力
  • 短期記憶
    • 短い時間内に情報を保持する能力
  • 感覚機能
    • 視力、聴力、嗅覚などの感覚機能

維持・向上する能力

  • 結晶性知能
    • 経験や学習を通じて蓄積された常識や語彙力、判断力
  • 感情制御
    • 感情をコントロールし、状況に応じた行動をとる能力
  • 社会性
    • コミュニケーション能力や協調性
  • 専門知識
    • 長年の経験を通じて取得した、特定の分野における専門知識

年代別の特徴

  • 若年期 (20~30代)
    • 流動性知能:新しい問題への適応や迅速な情報処理が得意な時期です。
  • 中年期 (40~50代)
    • 社会的知能:人間関係の構築や社会的状況の理解に優れる時期とされています。
  • 高齢期 (60代)
    • 結晶性知能:豊富な経験に基づく知識や語彙力がピークに達し、深い洞察力を発揮します。

参考文献:Oxford Academic Lifespan Development

経営者やリーダーに必要な能力

では実際に会社の指針を判断する社長や役員は、高齢期にピークとなる結晶性知能が重要となるポジションなのでしょうか。リーダーに必要な能力は時代や企業の規模、個人の特性などによって多岐にわたりますが、代表的な能力をみてみましょう。

能力と適正年齢の比較

アメリカの学術研究によれば、経営者やリーダーに必要な能力として以下のものが挙げられます。ピークの年齢はそれぞれの能力を流動性知能社会的知能、結晶性知能の属性に分けて割り出しています。

スクロールできます
能力ピーク内容
技術的能力60歳専門知識、問題解決力、意思決定力などの基礎的な能力。
対人能力40~50歳コミュニケーション力、共感力、リーダーシップなどのチームを構築する能力。
倫理観40~50歳組織のステークホルダーに対して責任を持ち、倫理的な行動をとる能力。
戦略的思考20~30歳組織のビジョンを明確にし、長期的な目標を設定し環境の変化に対応する能力。
変化適応力20~30歳不確実な状況下で変化を恐れず新しいアイデアを受け入れ、組織を改革する能力。

まとめ

上記グラフでは、60代が適正年齢となる能力は最も少ない結果となりました。但し能力と適正年齢の関係性は個人差が大きい為、あくまで参考の指標となります。

しかし、役職者の年齢に疑問を持っているその考えは、決して間違いではありません。日本の役職者は適正年齢から逸脱した人が、他国と比較し圧倒的に多いと言えるでしょう。それが結果として、現代の日本経済の成長力を下げる一つの要因となります。

参考文献:SearchWorks ハーバード・ケネディ大学 ハーバード大学プロフェッショナル教育

最後に

今回は日本社会の課題である、役職者と適正年齢のギャップについてご紹介しました。この課題は日本経済や文化が密接に関わっており、個人やチームが改善するのは非常に困難です。

しかし現在の人材市場は売り手市場であることが長期的なトレンドとなっています。重要なのは現状を知ることであり、もし納得できないことがあれば組織自体を乗り換えることをおすすめします。

今後も現代のビジネスマン向けに情報を発信していきますので、本ブログをブックマークして頂けますと幸いです。

過去の記事一覧

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次