
- 営業職に就いている人
- マーケティングに興味がある人
- マーケティング担当または経営者
マーケティングは、集客や販売に関わる重要な知識であり、現代の商売において必要不可欠な存在です。
本記事では『マーケティングとは?』をテーマとし、Web広告/マス広告の相場からリード獲得の重要性まで具体的に解説します。
営業職とマーケティング職
営業職とマーケティング職は、共通して『商品やサービスを売る』ことを目的としますが、その手段は異なります。
マーケティングは市場ニーズを起点に付加価値を創造し、「商品が売れる仕組み作り」をしますが、一方で営業は個々の顧客と向き合って「商品を売る活動」をします。
一般的な区分として、営業はリアルマーケティングの一つとされており、つまりマーケティングの手法には営業も含まれます。
パイプラインの重要性
商品やサービスを売る過程で最も重要なのは、『市場に自社の商売を認知してもらい、見込み顧客(リード)を獲得する』ことです。
会社は見込み顧客の数が多いほど売上のブレが小さくなり、長期的な業績が安定します。商談候補の蓄えである「リードのパイプライン」が将来の売上を下支えし、特定の顧客への依存率を減らす効果があるためです。
集客の重要性は、起業当初の会社はもちろんのこと、業績が安定している大企業であっても同様の効力を持つのです。
顧客化する比率
見込み顧客の案件は、失注の可能性を見込んで、目標額の3倍が理想とされています。見込み顧客から商談・受注に至るまでには大きな目減りが生じ、ごく一部のみしか最終的に顧客化しないためです。
そして、その顧客化される比率は業界ごとに異なります。

MQLとSQLの違いとは?マーケティング部門と営業部門の連携のコツを解説|ADEBiS
- リード:見込み顧客
- MQL:関心を示している見込み顧客
- SQL:受注する可能性が高い案件
- Closed:成約案件
| 業界 | リード→MQL | MQL→SQL | SQL→Closed |
| 航空宇宙 | 18% | 32% | 61% |
| 自動車 | 21% | 42% | 49% |
| B2B SaaS | 39% | 38% | 37% |
| バイオ | 36% | 40% | 55% |
| 建設業 | 17% | 37% | 54% |
| Eコマース | 23% | 58% | 60% |
| 金融サービス | 29% | 38% | 53% |
| ヘルスケア | 24% | 38% | 51% |
| 産業用IoT | 22% | 39% | 51% |
| 製造業 | 26% | 41% | 51% |
| 医薬品 | 41% | 56% | 64% |
| 不動産 | 27% | 33% | 53% |
| IT・ソフトウェア | 28% | 39% | 59% |
このように、業種によってバラつきが大きいものの、安定した売上を得るには十分な母数が不可欠です。

検討を進める中で、プロジェクト自体がドロップする場合や、競合他社を選定される可能性があるからです。顧客は一社選定の理由がない限り相見積もりで検討するため、仕様や予算を詰めていく中で、競合他社より付加価値がないと判断されることは少なくありません。
参考文献:Sales Funnel Conversion Rate Benchmarks: 2026 Report|FirstPageSage
マーケティングの種類
マーケティングには様々な手法がありますが、一般的な区分として「デジタルマーケティング」と「リアルマーケティング」に分けることができます。

デジタルマーケティング
- Web広告
- インサイドセールス
- コンテンツ発信
- オンラインサロン
デジタルマーケティングとは、Web上で集客や販売を行うことを指します。
インターネットで私たちが訪問した広告・サイトには、使用端末やWeb上の行動履歴、場合により年齢・性別・位置情報も残ります。

新野商事を訪問した人の端末情報(GoogleAnalyticsより)
運営者は、解析ツールを使用することでこれらの情報にアクセスできるため、施策の効果測定をリアルタイムで計測し、PDCAを素早く回せるのがデジタルマーケティング最大の特徴です。
リアルマーケティング
- マスメディア広告
- 営業
- 展示会
- セミナー
リアルマーケティングは、対面もしくは新聞・雑誌などのマスメディア広告(マス広告)で集客や販売を行うことを指します。
マス広告は『不特定多数向けに一律のメッセージで』訴求することになり、また訪問者に対する情報収集機能はないため、効果の計測が難しい側面があります。
かつ、マス広告はWeb広告と比較して、費用も高額になる傾向にあります。
Amazon広告
例えばAmazon広告は、Amazonサイト内(もしくは提携する外部サイト)に広告を掲載できるWeb広告サービスの一つです。
Amazon広告にはスポンサー広告(Amazon内に広告掲載)とDSP(Amazon内・外に広告掲載)の2種類があり、スポンサー広告は出品者のみが対象となり、DSPは未出品者も対象となります。

関連記事:Amazon広告の運用のコツとは?運用代行会社のメリットも解説|株式会社そばに
マス広告の相場

マス広告がWeb広告より高額な理由は、Web広告が課金形態を複数持つ(予算に合わせる柔軟性を持つ)ためです。
マス広告の課金形態は、『固定料金型』が一般的です。これは広告掲載枠や放映時間に対して、事前に定められた固定金額を支払う形態で、広告の「掲載枠数」や「掲載段数」が金額の基準となります。
テレビCM
全国ネットのキー局で30秒間CMを放映する費用は、約1,000万~3,000万円/回が相場です。地方ローカル局であれば約100万~1,000万円/回と割安ですが、それでも一度に数百万円規模の出稿費用が必要になります。
また制作費も別途かかり、一般的なクオリティのCMでも数百万円、有名タレント起用や凝った演出では数千万円以上に及ぶケースもあります。
ラジオ広告
全国ネットのラジオ局で15秒間スポットCMを流す費用は、約10万~30万円/回が相場です。地方局であれば、約3万~10万円/回とさらに手頃になります。
但しこちらも、制作費用(ナレーション録音やBGM制作など)は別途かかります。
新聞広告
全国紙の1面カラー広告を掲載する費用は、約2,000万~4,000万円と極めて高額です。地方紙では1面掲載で100万~1,000万円程度と低コストですが、それでも数百万円規模の予算が必要になります。
紙媒体では広告サイズや掲載箇所によって価格差があり、雑誌の場合はファッション誌の1ページカラーで500万~1,500万円、専門誌なら数十万~数百万円と媒体規模によって開きがあります。
Web広告の相場

Web広告には複数の課金形態があり、予算に合わせて柔軟に検討できます。
基本的には広告主が入札額を設定でき、予算上限内で費用をコントロール可能なのです。

広告主が入札額を設定できる理由は、マス広告は『発信者が価格設定』するのに対し、Web広告は『依頼主が価格設定』するためです。

実際にB2Bマーケティング担当者に「もっとも受注につながっているチャネル」は何か尋ねた調査では、第1位が「Web広告」だったというデータもあります。

BtoBマーケティング担当者の受注率に関する意識調査|IDEATECH
但し人気キーワードや専門領域では、1件あたりのクリック単価が数万円に上ることもあり、自社の広告予算に合わせた課金形態を選択することが重要です。
クリック型(CPC)
| 媒体 | クリック単価(相場) |
| Google広告 | 約100~350円 |
| Yahoo!広告 | 約80~280円 |
| Instagram広告 | 約50~150円 |
| Facebook広告 | 約60~200円 |
| X(旧Twitter)広告 | 約70~180円 |
クリック課金型とは、視聴者が広告をクリックすると広告費が発生する方式です。GoogleやYahoo!の検索連動型広告(リスティング広告)など、多くの媒体で採用されています。
インプレッション型(CPM)
| 媒体 | 1,000回表示当たり |
| Google広告 | 約100~300円 |
| Yahoo!広告 | 約150~400円 |
| Instagram広告 | 約600~1,200円 |
| Facebook広告 | 約500~1,000円 |
| X(旧Twitter)広告 | 約400~650円 |
配信した広告が一定回数表示されるごとに広告費が発生する方式で、CPMとも呼ばれます。
クリックを伴わず広告の認知拡大を目的とした広告に適しており、主にディスプレイ広告やSNS広告で利用されます。
SNS広告はターゲットの興味・属性を絞り込んで配信できるため、費用対効果が高く、小規模予算でも狙った層にリーチしやすい特徴があります。
成果報酬型(CPA)
価格相場:約500円~3,000円(成果1件当たり)
視聴者が広告経由で商品の購入や会員登録した場合にのみ課金される形態です。主にアフィリエイト広告で使われるモデルで、成果1件ごとに予め定めた報酬額を支払います。
全業種平均の相場は、検索連動型広告が約7,000円、ディスプレイ広告が約1万円ですが、安価な商材や成約ハードルが低い場合は数千円以下に収まることもあります。
くろひつじこのブログでも、ASP(A8net)経由でアフィリエイト広告を掲載しているよ。以下のリンクから、視聴者が会員登録すると報酬が発生するんだ。
動画視聴型(CPV)
価格相場:約5円~20円(視聴1件当たり)
視聴者が動画広告を一定時間視聴すると課金される方式です。YouTubeの動画広告やX(旧Twitter)の動画広告、Yahoo!広告などでCPVが採用されています。
テレビCMとは異なり、視聴者が実際に視聴した分だけ費用が発生する形態で、予算に応じて配信量を調整でき、1日あたり数千円程度から出稿可能です。
エンゲージメント型(CPE)
価格相場:約40円~100円(反応1件当たり)
広告に対する『いいね・シェア・フォロー』などのエンゲージメント(反応)が発生した時点で課金される形態です。
主にX(旧Twitter)やFacebookなどのSNS広告で採用されており、ユーザーの能動的なリアクションを促すキャンペーンに適しています。
掲載期間保証型(CPD)
広告の掲載期間を定め、その期間に応じて費用を支払う形態です。期間内は表示回数やクリック数に関係なく固定料金が発生し、このような期間保証型のネット広告は純広告とも呼ばれます。
例えばYahoo! JAPANトップページのブランドパネルでは、全国配信の場合、1日あたり最低約500万円~という高額な費用設定になります。一方で配信エリアやユーザー属性を限定したプランでは、1日あたり約10万円~出稿可能なケースもあります。
リアルマーケティングの強み
リアルマーケティングの手法には、営業や展示会・セミナーなどがありますが、総じてデジタルより高額である反面、面直で行える強みもあります。
営業
| メリット | デメリット |
| 訴求ターゲットを絞れる | 人的リソースへの依存度が高い |
| 一定の報酬額で訴求先上限がない |
営業は主導的にアプローチできるため、労力が続く限り訴求先に上限がありません。特に適切に絞り込んだターゲットに対しては極めて効果的で、個々にヒアリングすることで潜在ニーズを引き出すことができます。
但し、この手法は人的リソースへの依存度が高く、営業担当者のスキルやトークスクリプト次第で成果が大きく変動します。
また効率重視で大量架電すると、顧客側の負担・反感も招きやすく、断られた見込み客への再アプローチには慎重さが必要になります。
展示会
| メリット | デメリット |
| 短期間で直接製品の訴求ができる | 出展コストが非常に高額 |
| 見込み顧客の信頼度が高い |
業界向け展示会やイベントに出展・参加し、来場者との名刺交換や対面コミュニケーションを行うことで見込み顧客の情報を獲得する手法です。
展示会の来場者はその業界の専門家が主になるため、信頼度の高い見込み顧客を得やすい特徴があります。
対面展示会では、一度の出展で100~300件の名刺を獲得でき、そのうち5~10%が1ヶ月以内に商談に繋がったデータもあります。


但し展示会への出展は、人件費・ブース費・出店品費などを含めると数百万円以上のコストがかかり、かつ準備にも膨大な工数がかかることが最大の課題です。
また、自社のフォローアップ体制を整えなければ、「見込み顧客で終わる」可能性もあります。
セミナー
| メリット | デメリット |
| 汎用性が高い | 集客ツールにはならない |
| 開催費用が安い |
自社主催または共催でセミナーを開催し、参加登録者の情報を取得する手法です。
セミナーは会場費用を抑えやすく、他社と共催して集客力を高めたり、実施後に動画アーカイブを公開して長期的な見込み顧客獲得に繋げたりと、汎用性も高い特徴があります。
但し、集客自体は他のツールとの連携が不可欠で、「メール案内やSNS告知などで、他の施策と組み合わせないと十分な参加者を集めにくい」点が課題です。
また当日のセミナー内容の質も問われ、講演テーマの設定や講師の話術によって成果が左右されます。
コンテンツマーケティングの強み
コンテンツマーケティングとは、YouTubeやSNS・ブログなどで有益な情報(コンテンツ)を発信し、読者・視聴者を集めることで見込み顧客を獲得する手法です。
コンテンツ発信は、ほぼ0円で永続的にコンテンツを蓄積できる一方で、成果が出るまで時間がかかるという特徴があります。
主な特徴
メリット
- 有益な情報を通じ視聴者からの信頼を構築できる。
- コンテンツを蓄積すれば安定した流入が期待でき、広告より費用対効果が高い。
2023年にHubSpot社が発表した調査によると、B2B企業の71%が「コンテンツマーケティングで見込み顧客を獲得している」と回答しており、そのうちの多くが「広告よりも費用対効果が高い」と評価しています。
デメリット
- 成果が出るまでに時間がかかる。(長い場合は2年以上)
- 『誰に何を届けるか』の設計が不十分だと効果が出にくい。
コンテンツマーケティングで成功してる企業のうち、82%が「ターゲット理解」を最大の成功要因と回答し、77%が「高品質なコンテンツ」が成果のカギだと回答しています。



ブログではよく「誰に」「何を届けるか」が重要だと言われるけど、これはコンテンツマーケティング全体で共通しているってことだね。
また検索結果は、検索アルゴリズム変動など外部要因の影響も受けるため、成果を出すには長期的なサイト改善やSEO知識が求められます。
参考文献:The 2025 State of Marketing Report|HubSpot
検索結果上位化(SEO施策)
YouTube・SNS・ブログなどの、どの媒体を始めたとしても、集客をするには共通して『検索結果に対し上位表示をさせること』が必要になります。
そして、この検索結果の上位を決める基準も基本的な内容は共通しており、如何に読者・視聴者のためになるコンテンツを提供するかにかかっています。
なお、検索結果の上位(品質の良否)を決める代表的な基準には、Googleの品質評価ガイドラインがあります。


Googleが検索結果のコンテンツの品質を適切に評価するため、「評価する者向けに」作成したマニュアルです。これは、検索ユーザーのニーズをどれだけ満たしているかを評価するための基準であり、コンテンツ作成者向けにSEO施策方法を解説するものではありません。
評価基準の代表例
タイトル・概要・記事(動画)に対して、ユーザーの検索キーワードとの関連性があるかを評価されます。
戦略的に検索ボリュームの高い(またはあえて中規模の)「キーワード」をタイトルに盛り込み、関連したコンテンツを作成することが求められます。



これは最も重要な要素で、もしユーザーが検索した内容と関係ないコンテンツが出てきたら、その検索エンジン自体の評価が落ちてしまうんだ。
読者・視聴者がコンテンツを読む、または視聴した滞在時間や、スクロール数・クリック数などを測られます。エンゲージメントが高いほど、優良なコンテンツと評価されます。
また読者・視聴者からのフィードバック(高評価・コメント・シェア)も、このエンゲージメントの基準に該当します。
その分野の専門性(経験・専門性・権威・信頼性)があるかを評価されます。
特定の分野でコンテンツを充実させることや、外部被リンクの多さが関係しています。雑記コンテンツより特化コンテンツの方が伸びやすいと言われるのは、コンテンツの専門性が分散されるためです。
また、コンテンツだけ充実しても、誘導先である自社の事業を紹介する媒体が無ければ意味がないため、その媒体も同時並行で作成する必要があります。
媒体の所有権
「Note」や「はてなブログ」などのブログ作成サービスは様々ありますが、これらのコンテンツの所有権は運営会社にあり、撤退や廃業により削除されるリスクが伴います。
ブログや会社ホームページを作成する際には、長期的な資産としてコンテンツを所有するため、WordPressなどのCMSを利用するようにしましょう。
CMSを活用すれば、媒体運営会社起因によるユーザー数の減少や利用規約違反(記事の削除)リスクも軽減でき、作成した記事は長期的な資産となります。


CMSとは、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、Webサイトを構築・更新できるシステムのことを指します。WordPressを初めとしたオープンソースCMSを活用すれば、無料で構築することができます。
最後に
今回は『マーケティングとは?』をテーマとし、Web広告/マス広告の相場からリード獲得の重要性まで具体的に解説しました。










