共同創業は危険?お勧めの株式分配率(持株比率)と単独創業との違い

こんな人に読んでほしい

起業を目指す人たちにとって、自社を共同経営・単独経営のどちらにするかは、一番最初に悩むところです。

本記事では、共同経営と単独経営それぞれの特徴や、お勧めの株式分配率(持株比率)についてご紹介します。

目次

共同経営とは

共同経営とは、家族や友人など複数人で会社を経営することを指します。株式保有率には明確な定義がなく、例え保有率1割以下でも、誰かと共に経営に携われば共同経営に該当します。

共同経営では、経営していく中で利益分配率や方向性などで意見の相違が発生する危険性があるため、例えどんなに信用する相手でも最終的な意思決定者は予め決めておくことを意識しましょう。

自社の持株比率に差を持たせれば、会社法上での権限を明確に分けることができます。逆に持株比率に差がないと、最悪の場合は会社が分裂する可能性があります。

共同経営のメリット

共同経営では、個々の『信用・リソース・スキル』などを出し合えるのが最大のメリットです。

特に信用を共有できるのは大きな強みであり、優秀な人が集まれば起業当初から資金調達先や取引先を複数確保できる可能性があります。

利益や会社の所有権が分散する反面、「会社をより短期間で、より大きくしたい」という目標を持つ人には向いているのです。

共同経営のリスク

但し起業家の中には『最初は一人で取り組むべきだ』と考える経営者も一定数存在します。会社経営には日々多大なタスクが発生しますが、これを解決する経験値も分散されてしまうのです。

加えて、共同経営は法的にも連帯責任を負う形態であり、共同者のミスで損害が出ても、全員が事業債務に対して責任を負うリスクがあります。

共同経営は喧嘩別れしやすいのか

共同経営の20%以上は、3年以内に誰かの離脱という形で決別を迎えています。

特に創業後2~4年目が「危険ゾーン」とされ、この時期に累積離脱率が15~25%に達し、その後5~7年で累計30~40%もの共同創業者が去っています。

参考文献:23% Now Leave Within 3 Years. 30% Within 5. 35%+ Within 7. |SaaStr

持株比率の権限

スクロールできます
持株比率権限
100%(全株保有)すべての決議を単独可決できる
66.7%以上特別決議を単独で可決できる
51%以上(過半数保有)普通決議を単独で可決できる
33.4%以上特別決議を単独で拒否できる
1%以上または300個以上の議決権株主提案権を行使できる
ココがポイント!

特別決議では、M&Aなどの会社の構造に関わる重要事項を決定します。この決議を可決するには、議決権の3分の2以上の賛成が必要とされます。したがって、持株比率が66.7%以上であれば、特別決議を単独で可決することができ、逆に33.4%以上の持株比率を有する株主は、特別決議を単独で阻止することができます。 

株主総会における「普通決議」

可決要件

  • 出席株主の過半数の賛成

決議事項

  • 取締役や監査役の選任・解任
  • 役員報酬の決定
  • 決算書類の承認
  • 剰余金(配当金)の処分
  • 取締役の責任免除

株主総会における「特別決議」

可決要件

  • 出席株主の3分の2以上の賛成

決議事項

  • 定款の変更
  • 株式譲渡制限の設定・変更
  • 株式併合・株式分割
  • 事業の譲渡・譲受
  • 合併・会社分割・株式交換・株式移転などの組織再編
  • 解散、清算人の選任

お勧めの株式分配率

最終意思決定者が「重要事項で詰まって動けない」状態を完全に回避するには、持株比率66.7%以上を持つ必要があります。

一方で、共同経営者に特別決議の拒否権を持たせる場合は、共同者の持株比率を33.4%以上にしましょう。

意思決定者が特別決議を単独可決する

人数意思決定者共同者/人
2名70%30%
3名70%15%
4名70%10%

意思決定者が普通決議を単独可決する

人数意思決定者共同者/人
2名60%40%
3名60%20%
4名61%13%
くろひつじ

因みにこのパターンで特別決議を可決するには、共同者のうち1名が意思決定者に賛同する必要があるよ。

新野くん

根回しが必要な分、意思決定スピードは遅れそうだね。

このように共同経営者が増えるほど、(均等割りの場合は)1人当たりの持株比率が小さく、共同者にとってのメリットが薄れてしまいます。

そのため、この場合はストックオプションを活用し、共同者のモチベーションを保たせる方法もあります。

ストックオプションとは?

ストックオプションとは、 「あらかじめ決められた価格で、将来その会社の株を買える権利」 のことです。会社が社員や役員に渡すことが多く、将来的に値上がりした株式を安値で買える権利(成果に応じた報酬)として使われます。

単独経営vs共同経営

スタートアップ業界においては「創業者は複数いる方が良い」という見方が一般的で、実際に投資家の中には単独創業者への出資を控える方針を明言するところもあるほどです。

では、具体的に単独経営と共同経営の違いを見てみましょう。

企業の継続性

企業の継続性という観点では、単独経営の方が有利です。

MIT社の研究によれば、単独創業者は3人以上の共同創業と比較し約2.6倍。2人の共同創業と比較し約2.5倍も事業を続けている割合が高いと報告されています。

前述のように経営初期の段階では、共同創業者との対立が発生する可能性があるのです。

参考文献:2 founders are not always better than 1|MIT

企業の成長性

逆に企業の成長性においては、共同経営の方が有利です。

ペンシルベニア大学の研究では、2名の共同創業は単独創業よりも、約3.6倍速いスピードでスタートアップ段階を卒業する(事業軌道に乗る)と報告されています。

特に異なる個性・強みを持つ創業メンバーが揃うほど、成功の可能性が高まるとされます。

参考文献:The Founder Factor on Startup Success: Solo vs. Co-Founders|seedblink

企業の代表例

但し、単独経営でも急成長した事例もあるため、必ずしも共同経営でなければ成功しないというわけではありません。実際に単独創業も共同創業も、それぞれ有名企業が多く存在します。

共同創業単独創業
ソニーパナソニック
楽天グループソフトバンク
本田技研工業トヨタ自動車
GoogleAmazon
MicrosofteBay
AppleLEGO
FacebookWalmart
IntelDell
NikePatagonia
StarbucksIKEA

単独創業と共同創業の割合

WEBビジネスにおけるスタートアップの成長要因|法政大学

Web系の企業を対象に行った調査では、共同創業する企業の割合は7割程度でした。

当然ながら業界によりその比率は異なりますが、米国の全体平均も共同経営が約7割であることから、共同経営:7割・単独経営:3割が妥当性のある割合と言えます。

Japanese National Report|GUESSS

その一方で、起業準備中の学生を対象に行った調査では、約半数もの人が単独創業を目指しています。

この背景には、投資家から出資を受けるようなスタートアップは共同経営が一般的で、当初は単独経営を予定した人たちも、資金調達段階で共同経営へ切り替える人が多いことが考えられます。

最後に

今回は、共同経営と単独経営それぞれの特徴や、お勧めの株式分配率(持株比率)についてご紹介しました。

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参考文献

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