インサイドセールスとは、電話やメール・Web会議などの、デジタルツールを用いた非対面の営業活動を指します。
本記事では、『インサイドセールスとは』をテーマとし、非対面の営業活動の導入率や、実際の活用シーンを実務目線で解説します。
インサイドセールス導入率
非対面の営業活動は、コロナ禍以降急速に普及しました。特に2019年~2020年にかけて、日本のインサイドセールス導入率は、約3倍にも増加しています。
- 2019年10月(コロナ前)…11.6%
- 2020年12月(コロナピーク時)…37.4%
参考文献:インサイドセールスに関するデータ集|HubSpot
Web会議・非対面商談の頻度
対面営業が主流だった会社も、2026年現在では違和感なくオンライン会議を提案できています。
筑波大学の調査によれば、コロナ禍前後でオンライン会議の利用頻度も大きく変化しています。
「月に1回以下」
- コロナ流行前:60.0%
- コロナ流行後:8.3%
「週に1回以上」
- コロナ流行前:30.1%
- コロナ流行後:86.4%
「1日1回以上」
- コロナ流行前:7.0%
- コロナ流行後:36.4%
参考文献:テレワークによる社内コミュニケーションの変化|筑波大学
新野くんでも、今はこの比率が元に戻っているんじゃないの?



いや、実際にはそうでもないんだ。
テレワーク導入率
内閣府が発表しているデータによると、テレワークを導入している企業の割合は、多少の減少傾向にあるものの、高い水準で横ばいとなっています。


さらに、Googleにおける『インサイドセールス』の検索頻度も、2019年から明確な上昇トレンドがあり、2026年現在も高水準で留まり続けています。


ここまでインサイドセールスが急速に広まった理由は、導入して初めて実感するメリットが存在したためです。
インサイドセールスのメリット


- 録画・録音が可能
- 移動時間が削減できる
- 議事録の作成・展開が容易
- 打ち合わせの参加人数に制限が無い
- マニュアルに沿った提案が可能(営業活動の属人化防止)
Web上で行うPR会議や打ち合わせは、対面よりも時間と場所の融通が効くため、取引先・営業の双方にメリットがあります。
また資料を用いた説明や議事録の作成は全てWeb上で行われるため、社内展開が容易であり、かつその履歴自体をエビデンスとして録画・録音することができます。
「相手の表情が見えない」ため、会議中に感情を探ることが難しい面はありますが、逆に言うとトークスクリプトをマニュアル化すれば属人化防止にも繋がります。
営業の在宅勤務(フルリモート)は可能?
B2B/B2C営業は通常、顧客のスケジュールや取引先のプロジェクトに状況が左右されるため、完全なフルリモートは不可能です。
曜日不定で週数回のリモートワークであれば現実的ですが、『急なトラブル発生時には出社しなければならない』などの制約はあるでしょう。
インサイドセールスが可能な条件
但し、以下の条件で転職・就職先を探せば、フルリモートの求人が見つかる可能性があります。
- 営業アシスタント
- 対面の仕事は営業が担い、社内業務のみ担当。
- インサイドセールス専門の部署
- 社内で役割分担があり、対面営業はフィールドセールスが担当。
- SaaS企業・BPO業界・人材業界
- ビジネスモデルがインサイドセールスに特化している業界・業態。
B2B営業が非対面で仕事をする場面
では、一般的な営業はどのような場面で非対面の仕事をするのでしょうか。PRから検収までの流れに沿って、インサイドセールスが活用されるシーンを見ていきましょう。
①PR活動
PR活動とは、見込み顧客(リード)へ商材を提案し、案件(引き合い)を獲得するまでの工程を指します。


PR活動で営業が行うことは、細分化すると以下のように分かれます。
- リード獲得
- 訪問や展示会、または電話やメール、SNSなどで見込み顧客を獲得する。
- ヒアリング
- 見込み顧客の背景(課題・予算・決裁権など)を聞く。
- アプローチ
- 商談やWeb会議で最適な商品を紹介し、ベネフィットを伝える。
またPRターゲットは「新規開拓」と「ルート営業」の2種類に分類でき、それぞれで案件の獲得方法が異なります。
新規開拓
新規開拓では、既存の顧客以外で「新しい見込み顧客」を獲得するための営業活動を行います。信頼関係の構築から進める必要があるため、ルート営業より難易度は高めです。
ルート営業
ルート営業では、既存の顧客を定期的に訪問しながら、新しい商品やサービスの提案、アフターフォローを行います。
ルート営業の場合、PR活動は非対面でも支障ありません。顧客との取引関係は既に成立しており、電話やメール・Web会議などで提案しても、十分に案件を獲得し得ます。
一方、取引関係のない新規開拓をする場合、ほとんどが初対面の関係からスタートするため、Web上でリードを獲得するのは困難です。



Webで拾った連絡先に片っ端から電話すれば良いんじゃないの?



凄いこと言うね。B2B取引は1件当たりの単価が高く、組織として商品を購入するから、お互いの信頼関係がないと難しいんだ。
非対面での新規開拓は、相手の精神ブロックが強く影響します。
B2B営業は顧客との信頼関係が重要なため、『相手の表情の変化を見れる』のは、強いアドバンテージになるのです。
②仕様打合せ
仕様打合せでは、案件を見込み顧客から頂いた後、見積もりを提出するにあたっての質疑を行います。
仕様打合せには2パターンあり、見積もり提出前に顧客の要求仕様をヒアリングする要求仕様打合せ、また見積もりを提出した後に要求仕様を満たせているか質疑を行う見積もり仕様打合せがあります。



これらの仕様打合せは、特別な理由がない限りリモートの方が良いね。



なぜ?
仕様打合せでは、顧客・自社(仕入先)双方で『設計・開発・購買・製造・現場・品質』など営業以外の部署の人も同席することがあります。
参加者が多く、かつ共有する部署が多いほど、非対面でのメリットを享受できるのです。但し、現地でないと認識の共有ができない場合など、特別な理由がある際は対面で行うこともあります。
③注文書発行~納入まで
注文書が発行されたら、受注~検収までの工程スケジュールを作成し、各部署へその工程を依頼することからスタートします。
納入までは、『工程スケジュールのフォロー・購入品の手配・立会時の顧客のアテンド』などを行いますが、立会以外は非対面でも可能な範疇です。
立会は顧客と共に制作状況の確認を行いますが、これは非対面(Web会議)で行うか、対面で行うかは顧客の意向に左右されます。
④検収打合せ
検収打合せでは、納入したものが要求仕様(検収条件)を満たしているかの確認を行います。
顧客が関連部署と検収項目を共有する必要があるため、最近では②の理由と同じく非対面で行われることが多くあります。



つまり、営業の仕事すべてを非対面化するのは難しいけど、仕様・検収打合せとかの要所では可能ってことだね。



そうだね。非対面は確かにメリットが大きいけど、フルリモートにするには、業界・業態ごとの課題があるんだ。
業界・業種に関わらず、業務のリモート化は今後も続く長期トレンドです。
しかし営業の特性上、「対面より非対面の方が稼げる」と会社側が判断しない限り、営業のリモート導入率は足踏みします。
就職・転職の際には、会社のビジネスモデルを把握し、「非対面でも稼げる方法はあるのか?」を事前に考えることが大切です。
最後に
今回は、『インサイドセールスとは』をテーマとし、非対面の営業活動の導入率や、実際の活用シーンを実務目線で解説しました。










