【トップ営業マンか新人営業マンかはすぐバレる?】それぞれの特徴を商社の営業が解説します。

私は現役で商社の営業マンをしています。

私は仕事柄、日々色んな取引先の営業と接しますが、トップ営業マンと新人営業マンには、明確な違いが存在します。

今回は、『トップ営業と新人営業の違い』をテーマとし、トップ営業マンが売れる理由をご紹介します。

こんな人に読んでほしい
  • 営業職に就いている人
  • トップ営業マンが売れる理由を知りたい人
新野くん

営業成績って再現性があるの?

くろひつじ

メン!商売と同様に再現性はないけど、少なくとも売れない理由は明確だよ。

営業職に就いてまず最初に学ぶべきは、トップ営業マンの立ち振る舞いです。

顧客も人間である以上、営業の一挙手一投足には敏感に反応し、それが営業成績に少なからず影響します。

尚、今回も個人の独断と偏見を含みますので、酔った商社マンの話に付き合ってる気分で、気軽にお読みください。

目次

顧客本位の姿勢

トップ営業マンは常に顧客を第一に考え、信頼関係の構築を最優先します。

LinkedIn社の営業レポート調査では、トップ営業マンの81%が「常に買い手を第一に考える」と回答し、平均の60%を大きく上回りました。

一方で、新人営業マンはノルマ達成や商品説明に意識が向きがちで、顧客の課題やニーズの把握が不十分になることがあります。

新野くん

この「顧客本位の姿勢」って、具体的にどんなことを指すの?

くろひつじ

一言で言えば、顧客の要望を叶えるために「臨機応変に対応する」だね。

この顧客本位の姿勢は、主語が常に『顧客の目標』にあります。

例えば顧客から、「注文書未発行の商品をすぐ手配したい」との要望があった場合を考えてみましょう。

顧客本位の姿勢とは

公正取引が強化された現代では、コンプライアンス上、顧客から注文書が発行されない限り、仕入先への手配を進めることはできません。

通常であれば、顧客側が指定納期を遅らせたり、先行稟議書を即日で回すなどの対応が必要です。

しかし、この場面でトップ営業マンは、「営業側がどう動けば指定納期を間に合わせられるか」を考え、先行注文書を仕入先へ発行し即日手配します。

この流れが、主語が常に『顧客の目標』にある顧客本位の姿勢です。

協働作業

これは別の言い方をすれば、『顧客の目標』を叶えるための協働作業といえます。

B2B取引における700件以上の大型購買を分析した調査によると、選定先を決めた理由で最も多かったのが「アイデアの提供」と「協働作業」です。

実際に、トップ営業マンは「自分が何を売るべきか」ではなく「顧客が何を達成したいか」を議論の中心に置き、買い手と共に解決策を作り上げることで競合との差別化を果たしています。

信頼を構築するリスク

多くの営業マンがこれを理解しながら実行できない理由は、顧客の動向次第で自分が「利用されて終わる」リスクを孕んでいるからです。

先にご紹介した先行手配の例では、顧客側で手配稟議が通らなければ、自分が全額負担するリスクが生じます。

また協働作業の例では、『顧客の目標』を中心に据えた結果、競合先を選定した方がメリットがあると自分が判断する可能性があります。

信頼の重要性

Forrester社の2024年調査によれば、取引先との信頼感が醸成されている場合、そうでない場合に比べて取引する可能性が約2倍に高まった(85%対48%)と報告されています。

「信頼」という付加価値は、他を凌駕するほどの大きな効力を持ちます。

それ故に、信頼を構築するには、それ相応のリスクを請け負う必要があるのです。

「聞く」ことの価値観

トップ営業マンと新人営業マンでは、聞くことの価値観が異なります。

GongLabs社が25,537件の商談を分析した統計では、成約率が最も高い比率は””話す43%:聞く57%””でした。

そしてこの成約率が低くなるほど、話す比率が高くなります。

新野くん

商品説明とかの、話すことが必要な場面ではどうするの?

くろひつじ

概要だけ説明するんだ。例えば自社のパンフレットに書かれている、最初の文章だけでも良い。

質問力と傾聴力

トップ営業マンは顧客の話を引き出す『質問力』や、その話に積極的に耳を傾ける『傾聴力』に長けています。

米国で営業のコーチをしているLiz Wendling氏は「上辺だけ聞くことと、積極的に傾聴することの違いこそ、トップセールスのスキルだ」と述べています。

一方、新人営業マンは商品知識やトークスクリプトに頼りがちで、「次に自分が何を話そうか」を考えるあまり、顧客の話を十分に聞いていないことがあります。

相手の発言がない時は

もし、いくら質問しても会話が長続きしなければ、共感力を武器に切り替えます。

共感力の最も効果的な手法は、””相手の思っていることを自分が言葉にする””(ミラーリングの言葉ver.)です。

これはプレゼンテーションの場(相手側が言葉を発せない場)においても有効であり、傾聴者が思うことを先に言うことで、傾聴者側が共感してくれます。

新野くん

これってネガティブな要素でも良いの?

くろひつじ

むしろそれが良いよ。ネガティブな要素を営業が発言し、その返しも営業が発言する。を繰り返すんだ。

適切な質問力を持っても相手の発言が少ない場合、相手が自分に対しネカティブな印象を持っている可能性があります。

営業が””ネガティブな発言””をあえて質問形式するのも有効で、相手の本音を聞き出すことができるでしょう。

営業マン

この製品高いなーって思いますよね?

社長

うん。

営業マン

仰る通り本製品は耐久性。つまりランニングコストの安さが特徴でして。

社長

ふーん。

営業マン

ランニングコストって設置環境に依存するじゃんって思いますよね?

社長

うん。

営業マン

実は類似環境である別ユーザー様で設置・計測した結果がこちらでして。

社長

ぷーん。

営業マン

別ユーザーってどこだよ!って思いますよね?

社長

思ってないです。私が思っているのは~~

参考文献:ProRemodeler

主体性の違い

これは営業に限った要素ではありませんが、トップ営業マンは内発的動機付けが強く、主体的に行動します。

Peak社の調査では、トップ営業マンの81%が自身を「非常に意欲的だ」と評価し、この特性を成功要因の筆頭に挙げています。(平均的な営業は57%)

また、上司から細かく管理されなくても自走できるタイプが多く、マネージャーがトップ営業マンと接する時間は、平均的な営業より””30分/週””短いというデータもあります。

これはトップ営業マンほど、「放っておいても成果を出す」自己完結型であることを示唆します。

内発的動機付けとは?

内発的動機付けとは、外部からの報酬(外発的動機付け)に頼らず、自身の内側から湧き上がる動機によって行動が促されることを指します。この動機は有能感や自己決定感が強く影響するとされ、行動そのものが目的となることで、外発的動機付けよりも大きな行動力に繋がります。

粘り強さ

意欲的な営業が、そうでない営業と最も異なる要素は、その粘り強さです。

リード(見込み顧客)への接触回数を比較した調査では、トップ営業マンの多くが、一人の見込み顧客に対し9回以上アプローチすると回答しました。

平均的な営業は5~6回程度で諦める人が多かったのに対し、トップ層は格段に粘り強いのです。

実際にHubSpot社のデータでは、「営業の80%は5回以上のアプローチで成約する」とのデータもあり、途中で投げ出さないトップ営業マンだけが、この域に達して契約をものにできるのです。

内発的動機を高く保つには

新野くん

とは言っても、どうすれば内発的動機付けができるの?

くろひつじ

動機は人それぞれで異なるから、色んな営業マンの動機を聞くのが一番だよ。

商売に再現性はありませんが、その動機には規則性があります。

パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、自分が成功した要因は「貧乏・病弱・無学歴」だと述べています。

トップ営業マンにも、ある意味で狂気のような『目標への渇望』や『払拭したいコンプレックス』があります。それを直接聞くことで、自身にも「動機の選択肢」を増やすことができます。

時間管理と優先順位

インサイドセールスでない限り、営業の仕事は社外にあります。

PeakSalesRecruiting社の調査によると、過去3年間でノルマを達成したトップ営業マンは、週に19~23時間を「実際の販売活動」に費やしているのに対し、

平均的な営業は14~18時間、成績が思わしくない営業は13時間未満しか費やしていないと回答しています。

営業は社内業務をやるべきか

しかし、時間管理については、所属する会社に依存する側面があります。

営業アシスタントが付いていたり、直行・直帰が許される会社などであれば、実際の販売活動に注力できますが、

そうでない場合は、自身の担当範疇を絞るか、長時間労働することでしか時間を確保することはできません。

営業は社内業務をする必要があるのか?は以下のブログでご紹介しておりますので、ぜひ合わせてお読みください。

営業の優先順位

新野くん

ちなみに優先順位の決め方ってどんな方法があるの?

くろひつじ

営業の優先順位は、「顧客にとっての緊急度」とイコールにならなければいけないよ。一番はトラブル対応だね。

営業は毎日、何かしらのトラブルに追われています。そのトラブルから処理することで、顧客や取引先からの信頼を効率的に築くことができます。

いずれにしても、営業は販売活動以外の雑務は極力減らし、適切に日々の優先順位付けを行うことが重要です。

トラブル対応の重要性は以下のブログで解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。

最後に

今回は、『トップ営業と新人営業の違い』をテーマとし、トップ営業マンが売れる理由をご紹介しました。

今後も現代のビジネスマン向けに情報を発信していきますので、本ブログをブックマークして頂けますと幸いです。

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