私は現役で商社の営業マンをしています。
「自己管理ができない人間は事業も成功できない」という言葉はよく聞きますが、これらに共通点はあるのでしょうか。
今回は、『副業とダイエットはどっちが大変か?』をテーマとし、それぞれの共通点について解説します。

- 継続する方法を知りたい人
 - 副業やダイエットに取り組みたい人
 
副業とダイエットの共通点
副業とダイエットは全く異なるジャンルではあるものの、どちらも「多くの人が成功したいと思いながらも、継続的な成功が難しい」という共通点があります。
ダイエットは短期的な成功率は5割以上にも及びますが、減量後5年で8割以上の人がリバウンドし、長期的な継続率は2割以下まで下がります。
一方で副業は、事業者のうち3年で収支が黒字化できる人は4割程度に留まり、年間500万円以上の収入を得られる人は2割以下とされています。


自己管理と副業の関連性
副業とダイエットを、才能を抜きにした「継続力」だけの観点で言えば、『自己管理(ダイエット)ができない人間は事業(副業)も成功できない』という言葉には、一定の説得力があります。
当然ながら1日の時間には限りがあり、副業とダイエットを並行して行うべきという意味ではありません。
この両者の一般的な認識である””成功者””の比率はどちらも1~2割程度であり、どちらかを成功させる自己管理・時間管理の能力があれば、どちらかを成功させられる「継続力」が備わっていると言えるのです。
脱落者の傾向
副業とダイエットは共通して、開始当初から長期的な継続に繋がるまでに多くの人が断念してしまう「1ヶ月継続の壁」が存在します。
ダイエット
ダイエットは、比較的短期間の間で「パフォーマンスの向上」や「多少の減量」といった傾向が現れます。
しかし、およそ1ヶ月後に体が慣れて体重が減らなくなる「停滞期」に差し掛かり、急激な減量に対して体が適応しようとする期間に入ります。
この停滞期では、開始当初ほど努力した結果が成果に結びつなかいことから、多くの人が脱落していきます。
副業
一方で事業の場合、1年以内に解散(廃業)する事業所は4.4%程度に留まりますが、3年スパンでは約6割が解散に至り、5年・10年と時間が経つほど解散率が累積して高まります。
しかし同時に、時間が経過するごとに黒字化または赤字脱却する事業所も多くなっていき、5年目になると赤字事業所の割合は2割程度にまで減少します。


新野くんよく1つのビジネスプランを「3年で黒字化するか見極める」と言われるのは、これが理由なのかな?



そうだね。3年目以降は黒字・赤字それぞれの事業所が2極化していくから、撤退基準をここに決めておく人が多いんだ。
継続できる環境
江崎グリコ社が実施した調査によると、ダイエットを挫折した理由で半数以上(56.6%)もの人が回答したのが、「我慢することのストレス」でした。
これは副業も同様であり、両者ともに「努力=我慢」という認識でいると継続率が圧倒的に下がります。




人は不明確な将来のために、現在を犠牲にすることが苦手な生き物です。
よって、努力とは「何かを我慢するもの」ではなく、「将来へ時間を投資するもの」と捉える必要があります。
物事の優先順位
「努力=我慢」の紐付けを断つには、自分の中で物事の優先順位を明確にすることから始まります。
副業の場合、普段自分が何に対して時間を費やしているかを洗い出し、優先順位の低い行動を副業に充てます。
ダイエットの場合、副業同様に時間を捻出し運動に充てますが、それと同時に普段摂取する食べ物・お菓子にも優先順位を付け、無意識的に摂取しているカロリーがあれば断ちます。


つまり、日常の中から「優先順位の低い事柄」を削減し、努力する時間に充てることで「継続できる環境」が完成するのです。
環境の変化が与える影響
もし副業やダイエットで停滞期に入った場合、自分のいる環境に変化を与えることも有効です。
例えばダイエットで自己主導的に走り続けるよりも、社会的促進を利用しジムのスタジオやインストラクター指導のもとで行うと、無意識的に長時間の運動をすることができます。


社会的促進とは、1890年代に社会心理学者トリプレット氏が提唱した、「自転車の競争で一人で走るより他人と一緒に走った方がタイムが良くなる」現象を示します。これは身近に自分より優れた他人がいることで、適度な緊張や興奮が高まり、単純な作業や慣れた運動では成績が向上する現象です。別名「ケーラー効果」とも呼ばれます。
副業においても、習慣化できず悩んでいる人は多くいます。
しかし一方で、副業においては高額商材やネズミ講も横行しており、習慣化のために他人を頼ることはお勧めしません。
環境の重要性は変わりませんが、個人の環境の変化でも効果を発揮するため、取り組む場所や時間を変えるなど、自身に意思決定権がある範囲に絞りましょう。



因みに他人任せが可能な課題や競争では、集団になるとかえって一人ひとりの努力量が減ることもあるよ。



パレートの法則だよね。確かに仕事の環境では成果と報酬の紐付きが弱いと、「誰かが成果を出してくれるか」って思っちゃうなあ。
小さな成功体験の重要性
副業とダイエットは共通して、最初の取り掛かりが最も労力を要します。
心理学者アルバート・バンデューラ氏の自己効力感理論によれば、自己効力感(自分はその行動で成功できるという信念)を高める最も大きな要因は、その分野の成功体験の有無で決まります。
つまり最初の成功体験がない状態では、「何から手を付ければ良いかわからない」「成功するかわからない」といったネガティブな考えになりがちなのです。
今できる範囲で始めてみる
そこで共通してお勧めできるのが、副業やダイエットを『今できる範囲で小さく始めてみる』ことです。今ある知識・経験・道具で、モノを1個売ってみたり、ランニングを10分やってみましょう。
物事のやる気は行動の前に湧いてくるというより、行動を起こした後についてくる「作業興奮」的性質があります。


作業興奮とは、19世紀末にドイツの心理学者エミール・クレペリン氏が、実験により証明した性質です。クレペリン氏の実験では、被験者に単純な計算課題を連続して行わせ作業量を記録したところ、開始直後は作業量が少ないものの、暫くすると作業量が徐々に増加して、一定時間後にピークに達することが確認されました。
やる気が出る仕組み
具体的には、何かに手を付けて指や目を動かすと、その刺激によって大脳基底核の一部である側坐核(そくざかく)が反応し、神経伝達物質のアセチルコリンが分泌されます。
アセチルコリンには脳の覚醒度を上げて、集中力ややる気を引き出す作用があり、文字通り「エンジンがかかる」状態になります。



この作業興奮は作業開始5~10分程度で生じるとされ、始めは気乗りしなかった人も「もう少しやってみよう」という気持ちに切り替わりやすくなるんだ。
さらに作業を進めて部分的な達成を感じると、脳は今度はドーパミンを分泌します。
ドーパミンによって達成の快感を覚えると「もっと続けたい」という意欲が湧き、結果的に作業開始→集中→部分達成→快感→さらなる集中という好循環が生まれるのです。
最後に
今回は、『副業とダイエットはどっちが大変か?』をテーマとし、それぞれの共通点について解説しました。
なお、継続する方法は以下のブログでご紹介しておりますので、ぜひ合わせてお読みください。


今後も現代のビジネスマン向けに情報を発信していきますので、本ブログをブックマークして頂けますと幸いです。





