【転職・就職に必見】商社の営業職とコンサルタント職の違いとは?商社の営業マンがご紹介します。

私は現役で商社の営業マンをしています。

商社やコンサルタントファームは、代表的な人気の転職・就職先として挙げられますが、具体的に業務内容の違いはなんでしょうか。

今回は、実際に商社で営業をしている立場から、商社の営業職とコンサルタント職の違いについてご紹介します。

こんな人に読んでほしい
  • 転職・就職先に悩んでいる人
  • 商社やコンサルタントに興味がある人
目次

主な業務内容

商社とコンサルタントは、顧客の課題を解決するため、取引先との「協働作業」を行います。社内より社外との関わりが主になる点は、どちらの職種も共通しています。

なお、営業は単なる「商品・サービスを紹介する仕事」と思われがちですが、その本質は取引先に赴き、顧客のプロジェクトの情報収集をする中で、信頼関係を構築しながら自社が取り扱う商材をPRしていきます。

どちらも主役(意思決定権)は顧客にあり、商社もコンサルタントも『黒子的」 な立場でプロジェクト達成のための提案をします。

業務の相違点

商社とコンサルタントは、本質的な業務内容は統一して「取引先との信頼関係の構築」にありますが、当然ながら相違点も存在します。

ゴール設定

商社のプロジェクトにおけるゴール設定は出資する会社が行いますが、コンサルタントのゴール設定は出資される会社が行います。よって、課題の創出(現状分析や市場把握)から始める必要があり、かつその責任も重大です。

また商社のプロジェクトは顧客の「事業投資分野」に絞られますが、コンサルタントが扱うテーマは経営分野にもわたり、「経営戦略・組織改革・IT導入・業務改善」など広域的に関与します。

商社も新規事業の開拓や子会社の再建を任されることもありますが、商社の方が課題に対するゴールが明確なため、20代~30代は「やりがい」を見つけやすい可能性があります。

仕事の領域

コンサルタントは一定期間、特定の顧客のプロジェクトに深く関与しますが、商社は複数のプロジェクトを並行して進めます。

また商社の方が国内外問わず出張頻度が多く、取引先や事業投資先・商材の納入先へも赴くため、関わる取引先や商材の種類も多くなります。

よって、「様々な人やプロジェクトに関わりたい」のであれば商社、「特定の人やプロジェクトに深く関わりたい」のであればコンサルタントと区分できます。

商売の種類

コンサルタントは短期間で顧客の課題解決をサポートして報酬を得る「契約主体」であるのに対し、商社は中長期スパンで取引や投資から利益を上げる「事業主体」の違いがあります。

より「商売」について最前線で関われることが、商社の強みでもあるのです。

くろひつじ

コンサルタントは商売というよりデスクワークが主になるから、データの分析・解析が好きな人にはお勧めだよ。

平均年収の違い

商社とコンサルタントの年収は、どちらも平均水準が高く、かつ年齢や経験とともに上がっていきます。特に五大商社や外資系コンサルは別格であり、20代から年収1,000万円以上は見込まれます。

しかし一方で、dudaの業種別平均年収によれば、どの業種も日本の平均年収から逸脱した数値とは言えません。

https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/

duda社は登録者ベースで平均年収が算出されており、若い年齢層やベンチャー・中小企業を含むため、一般的なイメージより平均水準が低くなる傾向にあります。

よって、年収を最重視する場合は「どの業種にするか」よりも「どこの会社にするか」の方が重要であると言えます。

商社

五大商社の平均年収は1,857万円

上場専門商社8社の平均年収は約973万円

Bloomberg社によると、2025年3月期の五大商社の平均年収は以下となります。

  • 三菱商事 2,033万円
  • 三井物産 1,996万円
  • 伊藤忠商事 1,805万円
  • 住友商事 1,744万円
  • 丸紅 1,708万円

また2025年3月期、有価証券報告書やIR BANKなどに記載の上場専門商社8社の平均年収は以下となります。

業績が安定している(多くの商流を持つ)商社は、戦前からの歴史をもつ会社が一般的で、既存の商流や資源権益からくる利益によりその地位を築いています。

一人一人の成果は会社の商流によるものであり、属人的な成果とは判断されにくいため、成果と報酬の結びつきが弱く「役職が同じであれば報酬は変わらない」ことが商社の大きなデメリットです。

昇給頻度も成果と直接結びついているわけではなく、「年齢と成果」によって段階的な昇給をしていきます。

新野くん

つまり、仕事をしない人と仕事をする人が同じ給料ってこと?

くろひつじ

全く同じではないけど、どちらの水準も高いよ。そこに不満を持つ人は多いんだけど、日系企業の労働法上、おいそれとクビにすることは難しいみたいだね。

コンサルタント

一方で、外資系コンサルティングファームは日系企業特有の年功序列・終身雇用の概念が薄く、成果次第では20代で30代・40代より高年収を狙うことも可能です。

将来のキャリア形成においても、コンサル出身者は他社の経営幹部に転身する例があるため、転職を前提として「将来に繋がる経験を積みたい」という若年層から支持されやすい傾向にあります。

コンサルのプロジェクトは経営分野にも及ぶため、転職先の業界が縛られないのが大きな魅力の一つです。

外資戦略系の平均年収は1,450万円

総合系・IT系の平均年収は約931万円

OpenWork社によると、外資戦略系の平均年収は以下となります。

  • BCG 1,584万円
  • マッキンゼー 1,428万円
  • ベイン 1,339万円

また同調査会社による、総合系・IT系の平均年収は以下の通りです。

  • アクセンチュア 865万円
  • アビーム 827万円
  • デロイト 956万円
  • PwC 996万円
  • 野村総研 1,013万円

向いている人の特徴

商社とコンサルティングファームは、共通して取引先との協働作業が主となるため、相手の感情を読み取る「コミュニケーションスキル」や、商材のPR・経営の分析結果を伝える「プレゼンテーションスキル」が必要です。

しかし、前述したようにそれぞれ異なる特徴もあるため、向いている人の特徴も当然ながら変わります。

商社

人の気持ちがわかる人

商社は複数案件を並行して進めるため、顧客の緊急度に合わせた優先順位付けや、角が立たない伝え方ができる人が向いています。日常的に想定外のトラブルや、急なリスケに対応する場面が多々あるのです。

そうした変化を前向きに捉え、臨機応変に動ける人を、私たちは「人の気持ちがわかる人」と表現しています。

この要素は入社当初から完璧にこなせるわけではなく、様々な人やプロジェクトに揉まれる中で、徐々に身につけていくものですが、根本的に向いていない人も一定数存在します。

商売を楽しめる人

商社は国内外問わず、世界的なスケールで商売に最前線で関わります。

どういう表現・表情・関係性であれば商売が上手く進むのか、それを肌感で日々感じることができ、現代の商売人を身を持って体感できるのです。

そのような環境を楽しみ、商売人としての洞察力を育める人は、将来的に大きなプロジェクトを成功に導きます。

多様な価値観を楽しめる人

商社は出張頻度が高く、異なる文化や考え方に触れる機会が非常に多いです。

固定観念にとらわれず、異文化や様々なバックグラウンドを持つ相手とも協働できる人は、日々変化する環境でもストレスなく楽しむことができます。

くろひつじ

商社は留学・海外移住経験がある人を採用しやすいんだけど、これは日本以外の価値観に抵抗がない性格が好まれるんだ。

コンサルタント

自責思考の人

どのような仕事も責任やプレッシャーが付いてくるものですが、コンサルは特に取引先の業績に直結する経営分野を任されるため、その責任能力が問われる仕事です。

かつクライアント・競合他社・参入市場の分析など、属人的な解析能力が問われる領域でもあり、自身と他者を区別し成長し続けられる「自責思考」である人が向いています。

なお、自責思考の重要性は、以下のブログでご紹介しておりますので、ぜひ合わせてお読みください。

知的好奇心が旺盛な人

人によっては、「要因と結果」の紐付きを捉えるロジックツリーをひたすら考え続けられる人がいます。

コンサルの仕事はデスクワークが主になるため、長時間ひたすらに「調査・分析・思考」ができる知的好奇心が旺盛な人が向いています。

コンサルは特に「現場の把握」が求められる傾向があり、ある意味で対照的な””経営と現場””を第三者目線で紐付けできる人が、このような環境でも生き残れるのです。

最後に

今回は、実際に商社で営業をしている立場から、商社の営業職とコンサルタント職の違いについてご紹介しました。

今後も現代のビジネスマン向けに情報を発信していきますので、本ブログをブックマークして頂けますと幸いです。

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