営業職に就職・転職する人にとって、営業の仕事は本当にきついのか、気になる人が多いと思います。
本記事では、『営業職に就くことのメリット』に焦点を当て、実際の営業事情について実務目線で解説します。
営業職の人口
2023年の日本の労働力人口は約6,740万人、その中で営業職従事者は約810万人(全体の約12%)にも上ります。
また文系大学を卒業した学生のうち、約7割もの人が総合職として採用され、その後営業に従事します。
営業職がこれほど多い理由は、社員に若いうちから営業に就かせることで、商売の基礎や対人スキルを磨かせたいという経営者の意図があるためです。
参考文献:文系学生の大部分が「営業」に配属される事実|ダイヤモンド・オンライン
営業職の減少
しかし、過去15年間で営業職の人口は約60万人近くも減少しています。
この背景には、インターネットの普及による販売手法の多様化や、市場の流通構造の変化(営業が不要なビジネスモデルが増えていること)が挙げられます。
営業職の将来性
営業従事者の減少により、営業職には将来性がないように思えるかもしれませんが、実際はそうではありません。
営業の目的である利益の確保は営利企業の目的そのものであり、これからも雇用者からのニーズが衰えることはありません。
営業職の専門性は属人的な要素ではありますが、だからこそ営業として結果を出していれば、これからも転職先に困ることはないでしょう。
営業職に就くことのメリット
営業職の代表的なメリットは「商売が実践を通して学べること」そして他の職種と比較し「就業時間内の自由があること」です。
商売が学べる
営利企業が存続するには、利益の確保が必要です。利益を出すには、自社の商材を売る必要があり、商材を売るには「見込み顧客に選ばれる」必要があります。この「選ばれる付加価値」をつくるのが営業力です。
営業力に特化したビジネスマンは、例え自分で起業した場合でも、存続できる可能性が高くなります。
新野くんでも商売には、良い商品を作り出す「技術力」も重要なんじゃないの?



良い質問だね。実は商品が売れる過程において、技術力よりも重要なものがたくさんあるんだ。例えば「世界で最も売れているハンバーガー屋さんは、世界で最も美味しいハンバーガー屋さんか?」を考えてみよう。
技術力 vs 営業力


Photo:Justin Sullivan/gettyimages
世界で最も売れているマクドナルドは、その立地的な「利便性」やハッピーセットを購入した時の「限定特典」、世界的に安定した「品質と安全」にベネフィットをおいています。
そして、このベネフィットのどれもが食の技術力には該当しません。
市場が成熟した業界で商品が良いのは当たり前のことであり、その中でターゲットに定めた顧客へ最適な付加価値を提供する営業力こそが、マクドナルドを世界で最も売れているハンバーガー屋さんにしているのです。
就業時間内の自由が手に入る
会社にもよりますが、結果を出している営業は、良い意味で会社から見放されることがあります。
営業が担当する取引先や部署は、プロジェクトが集中しない限り他の営業と被ることはなく、スケジュールは自分自身で管理することになります。
逆に言えば、そのスケジュールを他の人と共有しなければ「どこで何をしていても自由」なのです。



でも、うちの会社は日報の提出が義務付けられてるし、携帯にGPSも付いてるよ!



最近はそういう会社が多いよね。だからこそ、「社内営業」で信頼されることが重要なんだ。
社内営業とは
社内営業とは、社長や上司から好かれる・もしくは信頼される状態を指します。
- 予算以上の売上を毎期達成している。
- 「こいつはサボらない」という印象を与えている。
- サボりがバレても問題ない関係性を構築している。
- 「自己主導的に仕事ができる」ことを認識させている。
「自己主導的に仕事ができる」能力は、会社を起業する時にも必要な能力であり、プラトー期を乗り越える大事な原動力となります。
対人スキルが磨かれる
営業職に就くことのメリットには、『営業力が磨かれる』こともあります。この営業力の代表的なスキルが、「対人スキル」と「プレゼンテーションスキル」です。


- 共感力:相手の感情に寄り添い、信頼を築く能力
- 質問力:ニーズや課題を引き出す適切な質問をする能力
- 人脈形成力:新規・既存の関係を広げ、商売を広げる能力
営業は交渉ごとを有利に進めるため、自然と実践的な対人スキルが磨かれています。
「返報性の原理」や「ミラーリング」などの心理学の知識がなくても、相手に好かれることに特化した行動を無意識に行うことができるのです。
プレゼンテーションスキルが磨かれる


- 構成力:情報を論理的かつ簡潔にまとめる能力
- ストーリーテリング:事例や比喩を用いて印象的に伝える能力
- 非言語コミュニケーション:表情・ジェスチャー・声のトーンなどの活用
プレゼンテーションスキルは、商売における必須科目です。
「見込み顧客に選ばれる」ことを目的としたプレゼンテーションスキルは、知識より場数の方が役に立ちます。
論理的な会話の構成をし、相手の表情の変化を読み取り、断られた経験が積み上がるほど、スキルが磨かれていきます。
営業職はきついのか?
営業職は「決められたことを行動すれば結果が出る」仕事ではなく、「結果を出すため何をするか決め行動する」ことが仕事です。
マニュアルは基本的な仕事の流れ(見積もり・発注・検収)のみで、日々の行動は営業ロープレで自身が作り上げていきます。
営業にマニュアルは無い
商売に再現性がないように、営業職にマニュアルは存在しません。
つまり「こうすれば売れる」や「こうすれば失敗しない」などの成功法則は存在せず、全て属人的なものなのです。
このように自身が選択権を持ち、それが結果に反映されることが苦手な人にとっては、営業職はきついかもしれません。



学校生活を○×で判断されてきたからこそ、「正解が無い」のは確かに難しいかもね。



そうだね。だからこそ経験を積むまでは、社内・取引先・顧客から「怒られて当たり前」と思うことが重要なんだ。
営業は怒られて当たり前
マニュアルの無い領域で結果を出すには、失敗した自分が唯一の先生です。
営業は『怒られることが仕事』であり、その繰り返しから学びと実践を繰り返していきます。
しかしこれは、自分で商売を始めた場合も同じことです。商売に最前線で関わり、自身で決めた行動が結果に繋がることこそが営業職の醍醐味なのです。
最後に
今回は、『営業職に就くことのメリット』に焦点を当て、実際の営業事情について実務目線で解説しました。










